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小説の神様

書評

 

 

強くなくていい。
失敗しても、嫌われても、挫折を繰り返してしまっても。
君は、主人公になってもいいのだと、ページを綴る誰かへ、そう伝えるために。

 

 

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あらすじ

小説は、好きですか――?

いつか誰かが泣かないですむように、今は君のために物語を綴ろう。

僕は小説の主人公になり得ない人間だ。学生で作家デビューしたものの、発表した作品は酷評され売り上げも振るわない……。
物語を紡ぐ意味を見失った僕の前に現れた、同い年の人気作家・小余綾詩凪。二人で小説を合作するうち、僕は彼女の秘密に気がつく。彼女の言う“小説の神様”とは? そして合作の行方は? 書くことでしか進めない、不器用な僕たちの先の見えない青春!

講談社BOOKS倶楽部

表紙から登場人物がイメージできる

この作品の登場人物は表紙からイメージできます。

主人公は表紙左の男子高校生、「千谷一也」。作家での名前は「千谷一夜」。

ヒロインは表紙右の女子高生、「小余綾詩凪」。作家での名前は「不動詩凪」。

主人公は売れない作家です。
自分の書きたいものを書いても売れないことがわかっていて、読者が何を読みたいかを考えている。

ヒロインは主人公とは真逆の運動も勉強もできる天才美少女です。
小説には人の心を変える力があると一也に訴える。

そんな2人が一緒に小説を書く物語となっています。

気持ちのぶつかり合いがてんこ盛り!

実はこの本、買ったのは妹で、妹の本棚から物色しました(笑)

どんな本か聞いてみたらこんな回答が。

 

この作品は2人の意見がめちゃくちゃぶつかり合います。

取っ組み合いながらお互いの気持ちを言い合うことも。

両方の意見がわかる!

ストレートに心に刺さる言葉が多くて、途中からメモをとるの諦めました。

この作品には人間の生々しい感情が溢れていて、気づいたら物語に引きずり込まれています。

もう一度、この物語を読めば、感情を表す言葉にグサグサ刺される。

このシーンは映画だとこんなふうに表現されてるんだろうなって想像できるくらい、文字の情報から映像が浮かび上がりました。

印象に残った言葉

 

気分が乗るまで待つことはできる。
けれど、気分が乗らなくても書くということは。
それは、小説家にしかできないことなのだから。

 

当たり前のことかもしれないけど、大事なこと。
「文章には鮮度がある」という言葉を聞いたときから、ぼくも読書レビューは読み終わったあとすぐに書き出すようにしています。
気分が乗らなくてもやる。書く。

 

小説は所詮文字の羅列だ。
想像力を駆使して物語を汲み取るのは、酷く労力を伴う作業だろう。
厳しい現実に疲れ切った人々は、もっと気軽に楽しめる娯楽に飢えている。

 

「人間は文章を読みたくない」というのを前提でぼくはブログを書いています。
いらない情報はなるべく削る。
小説を書いているわけではありませんが、文章を書いている身として、とても共感できる言葉でした。

 

 

完全に伝わる物語などありえない。
そんな曖昧でかたちを持たないものを届けるしかないの。
それでも、確たる信念を持って物語を綴らなければならない。

 

小説家としての心得を感じた言葉です。
何もないところから何かを作り表現することの素晴らしさと難しさが伝わりました。
かっこいい。

 

わたしたちは、言葉を伝えたいわけじゃない。
言葉では遅すぎる。言葉では不自由すぎるのよ。
だから、言葉では伝わらないことを、表現しきれないことを、一つの物語に編んで届けることしかできない。

 

言葉では不自由。
不自由だからこそ、伝わることもあるのではないかなと感じました。

 

失敗したって、いいじゃないか。情けなくたって、いいだろう?
苦しんで、辛くて、悲しくて、いいことなんてなにも持っていないけれど。
読者の憧れになんてなり得ない、根性なしのウジウジした人間かもしれないけれど。
それでも精一杯生きているんだ。

 

一也の言葉。
一也の言葉は共感できることがたくさんあって、もっと紹介したい。
自分が何者でもないこと、他人や環境のせいではなく自分の実力がないこと、ちゃんと認めているにもかかわらず、どうしようもできないもどかしさが伝わってきます。

Twitterでの感想

 

なんのために小説を書くのか…
これについて議論したり考えたりしている時間そのものが幸せなのかなと思ったりします。

本を読む全ての人に加えて、ぼくはモノを作り出す人に読んで欲しいなと思います。
なぜ自分はそれを作るのか。なぜ自分はそれをやるのか。
クリエイターは読むべき。

ほんとに素敵な言葉がたくさん出てきて、書き留めたくなります。
書き留めきれない。(笑)

 

この2人の出会いは必然だったのかもしれないって思えるくらい素敵な話です。
ぼくはこの作品から漫画を描く漫画『バクマン』を思い出しました。

まとめ

 

この作品を読み終わった時、どうやってブログにまとめればいのかさっぱりわかりませんでした。

全部伝えたい!この物語の素晴らしさを!

こんな感情が一番最初に出てきました。

この作品はミステリーではないですが、物語の終盤で一也は重大な事実を知ってしまいます。

この記事ではその部分には触れていませんので、ぜひこの物語を楽しんで欲しいと思います。

また、ご感想や質問はこみーのTwitterのDMか質問箱にいただけると幸いです。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

ではまた!

 

書評小説
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