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舟を編む

書評

 

 

言葉を生み出す心は、権威や権力とは全く無縁な、自由なものなのです。

 

 

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あらすじ

出版社の営業部員・馬締光也(まじめみつや)は、言葉への鋭いセンスを買われ、辞書編集部に引き抜かれた。

新しい辞書『大渡海』の完成に向け、彼と編集部の面々の長い長い旅が始まる。

定年間近のベテラン編集者。日本語研究に人生を捧げる老学者。辞書作りに情熱を持ち始める同僚たち。

そして馬締がついに出会った運命の女性。

不器用な人々の思いが胸を打つ本屋大賞受賞作!

光文社

 

2012年 本屋大賞作品

『舟を編む』は2012年に本屋大賞受賞作品となっています。

2012年、ぼくは高校生1年生でした。(笑)

つい最近の本だと思ってたんですが、けっこう前の作品なんですね。

漫画化や映画化もされていてとても人気の作品となっています。

漫画や映画のキャラクターのイメージがついてしまうと、これから読もうと思う人の弊害になると思いますので、漫画や映画の紹介はこの記事ではしませんので、ご了承ください。

辞書を作る物語

この物語は辞書を作る物語です。

あなたは自分が使っていた辞書を記憶していますか?

 

ちなみにぼくは全く記憶にないです。(笑)

高校受験で電子辞書を買ってもらってからそれを使っていたので、紙辞書はあまり使っていませんでした。

ただ高校生の英語の授業で辞書が指定されていたことがあって、『wisdom』って辞書を使っていたのは今でも覚えています。(確か部屋の本棚にある)

 

作品の中で、「島」と聞かれてどう答えるかというシーンがあります。

主人公の馬締(まじめ)は最初
「まわりを水に囲まれた陸地」
と答えます。

しかし、「江ノ島は一部が繋がっているけれど島だ」、「ヤクザの縄張りという意味を含んでいない」と最終的に『まわりから区画された土地』と定義します。

 

おもしろくないですか?(きっとこれに共感できる人はちょっと変わり者w)

 

このように言葉の情報がたくさん出てきて、どのように辞書が作られていくのかが描かれている物語となっています。

特に馬締のラブレターは最高なので、ぜひ最後までご覧ください。

印象に残った言葉

 

『こだわり』はいい意味で使ってはならん言葉だぞ。
『匠のこだわりの逸品』などと言うが、あれは誤用だ。
『こだわり』の本来の意味は、拘泥すること。難癖をつけること。なんだから。

 

この言葉、すごく驚きました。
こだわることはいいことだと思っていましたが、実際は皮肉なんですね。
数十年後には正しい意味はなくなり、間違った使い方が正しい使い方に。
きっとこんな風に言葉は時代とともに使われ方が変わっていくんだろうなと感じました。

 

乾いた木を削ぎ、赤く鋭く芯を露わにする。
骨のなかから髄液があふれるさまを連想する。秘密が、生命力が、あふれでる。

 

赤鉛筆を削る表現。
鉛筆の先まで想像できるようなシーンが表現されていて、思わずメモってしまいました。
鉛筆が生きている”木”から作られていることが描かれていて感動。

 

だれかの情熱に、情熱で応えること。
西岡がこれまで気恥ずかしくて避けてきたことは、「そうしよう」と決めてしまえば、案外気軽で胸躍る思いをもたらした。

 

情熱で答えるってなんだろうって考えてしまいました。
ぼくの場合、尊敬している仕事のメンバーに、「ぼくらはチームですから」と言われた時がここ最近で一番熱くなりましたかね。
この人のために一生懸命頑張りたいと思えました。

 

舟を編む 感想 (Twitter)

 

「辞書編纂」の仕事を知っている人ってどれくらいいるんですかね。
この本のお陰で辞書を作っている人は嬉しいだろうな。
自分が知っている仕事を知ってもらえるのって嬉しいですよね。

 

この本の醍醐味の一つに「仲間と共に一つのことに向かっていく」ことがあります。
何年もの歳月をかけたプロジェクトを仲間とこなしていくことの難しさや気持ちが描かれていて素敵なお話です。

 

なんでも調べられるからこそ、辞書を見たくなる気持ち、すごくわかります。
辞書に対する意識が変わる作品です。

 

なんでこの作品が「舟を編む」なのか疑問に思いましたが、作品中にその謎が解けます。
「辞書は言葉の海を渡る舟」
素敵な表現だなと思いました。

 

「普段知り得る事のない世界を見られるのが本のいいところ」
この感想は本当にそうだなと思いました。

まとめ

言葉や文字が好きな人はきっとハマる作品ではないでしょうか。

主人公の馬締の不器用さや真面目さに共感できる部分が結構ありました。

辞書を作ることを通して、人間関係や恋愛などさまざまことが描かれているので、ぜひ読んでみてください。

ご感想や質問はこみーのTwitterのDMか質問箱にいただけると幸いです。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

ではまた!

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