なにもしなくても愛されると思ってるの?
なにもしなくても受け入れられて、優しくしてもらえると思ってるの?
Red あらすじ
夫の両親と同居する塔子は、イケメンの夫と可愛い娘がいて姑とも仲がよく、恵まれた環境にいるはずだった。だが、かつての恋人との偶然の再会が塔子を目覚めさせてしまう。胸を突くような彼の問いかけに、仕舞い込んでいた不満や疑問がひとつ、またひとつと姿を現し、快楽の世界へも引き寄せられていく。上手くいかないのは、セックスだけだったのに――。『ナラタージュ』の著者が官能に挑んだ! 著者最高傑作。
Red 女性の心理描写がとにかくうまい不倫小説
島本理生さんといえば、『ナラタージュ』で知っているという人も多いかもしれません。
恋愛小説のイメージが強いと思います。
『Red』も恋愛小説になりますが、ただの恋愛小説ではなく、不倫がテーマの作品になります。
母・嫁・妻
結婚した女性は男性と比べると、仕事をしていなくても生活しているだけでいろんな役割がありますよね。
バタバタしている生活の中に、「女」として自分を見てくれた元カレの姿が…
女性の心理描写がとてもうまく描かれていて、なるほど、女性はそういうふうに考えるのか、と男性目線としてとても参考になりました。
Red こんな人におすすめ
『Red』は主人公と同じように、結婚して子どもがいる女性は共感間違いなしです。
特に、仕事を復帰しようと考えている女性には、そのときの心理描写が鮮明に描かれているのでおすすめです。
また、あまり大きな声では言えませんが、浮気や不倫をしたことがある人にとても刺さると思います。
ぜひ、男性にもこの作品を読んでもらって、色々女性の理解の助けになればなと感じました。
Red 心に刺さった言葉たち
どうしてだろう。こんなにも安定していて、平穏なのに、毎晩同じベッドで眠る夫を、時折、赤の他人よりも遠く感じてしまうのは。
夫婦でうまくいかないときって、こんなふうに感じるんだなと想像することができました。
はっきり言って三十代にもなって似合うものが分からないなんていうのは、ただの怠惰だよ。
これは刺さってしまう。。。
なにもしなくても愛されると思ってるの?
なにもしなくても受け入れられて、優しくしてもらえると思ってるの?
ほんとこれなんですよね。きっと積み重ねなんだろうなって本当に思います。
「好きです。鞍田さん、好き」
好きになってから抱き合うのだと思っていた。快感が先に来て、それによって体から引きすり出される言葉だなんて知らなかった。好き、と繰り返すたびに寒空の下で温泉に浸かったときに似た幸福感が全身に広がった。温かくて幸せで何も不足がない。
エロい。このシーン、とてもよかったです。
誰といたって疲れるし、誰といたって緊張する。
中途半端に理解されたって、それでいて上手くいかなかったら、よけいに傷つくだけです。だから自分らしさなんて必要のない、安定できる生き方を選んだんです。
すごい気持ちわかるなーって思いながら読みました。
Red 感想
読了「Red」島本理生
なんかもうすごい刺さって、私は最初から最後までずっと泣きっぱなし
本当に読んでる間ずっと涙が止まらなかった。この物語が好きとかいう感情よりも、私のための大切な本官能小説とは感じられなかったもっとすごい、伝われ pic.twitter.com/nF6b7E5mFE
— ぺん🐧 (@i_be_penguin) May 5, 2020
全然官能小説っぽくないし、大切な本になる可能性のある作品です。
『Red』島本理生
家族と不倫相手の間で揺れる女性の気持ちがこれでもかというほど丁寧に書かれた作品でした。母親として、妻として、女性として…全てをバランスよく持つことは難しいですね。読む方の性別や年齢によって感想がかなり分かれそうだなと思いました。#読了 pic.twitter.com/RmnlotDzeQ
— 夜美@読書垢 (@yomi10606) August 27, 2021
何気なくこのバランスが取れる人ってすごいなと思いました。人間関係のバランス感覚を取れる人、とても尊敬します。
「Red」島本理生
世間知らずで自分を理解しようとしない夫を持ち、姑には気を遣い、育児に追われ、息つく間もない生活の中で積もる不満から、「女」として自分を見てくれたかつての恋人に惹かれていく。
愛、結婚、不倫、悩み続けるヒロイン、現実味があり重たいが惹き込まれる小説でした。#読了 pic.twitter.com/Q6BF92IonG— リョウ@読書垢 (@UAS4AZXXMcSS7mm) February 5, 2020
男性ってなんでこんなアホなんだろうとか、こういうときだけ正論言うよなととか思わせてくれる作品でした。まさに、現実味があり、重たいが惹き込まれる小説。
Red まとめ
ぼくの知り合いが、「罪悪感って気持ちいよね!」と言っていたのを、この作品を読んで思い出しました。
「浮気とか不倫はだめってわかってるのに、しちゃう。それが楽しい。罪悪感は気持ちがいいものなの。」
って言ってて、確かにと思いました。
「だめってわかってるけど、しちゃう」
人間らしいし、そうやってその人らしさが出てくるんだろうなと感じました。
いろんな経験をすることは考え方や価値観が広がると思いますが、トラブルにならないように気をつけたいですね。
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