2021年1月の読書を一言で表すとしたら「音楽」でした。
蜜蜂と遠雷 恩田陸
人間という存在にほんの少し、地上の重力のくびきを逃れるための、何かを付加するとしたら。
それは、「音楽する」ということがもっともふさわしいのではないか。
目に見えず、現れてはその片端から消えていく音楽。
その行為に情熱を傾け、人生を捧げ、強く情動を揺さぶられることこそ、人間に付加された、他の生き物とを隔てる、いわばちょっとした魔法のようなオプション機能なのではないか。
この言葉は「音楽とはなんだろう」という答えに近い気がします。
芳ヶ江国際ピアノコンクールの世界観に入り込み、観客になったように 美しい音楽を感じることのできる作品です。
音楽を言葉で感じたい方はぜひ。
ふたご 藤崎彩織
お前の居場所は、俺が作るから。泣くな
なんでそんなにもなりながら一緒にいるんだよと思いつつ、独特の空気や居心地のよさに依存してしまう感覚に、人間らしさを感じました。
この作品は大切な人を大切にすることの難しさや苦しさを感じることが出来ます。
ぜひ読んでみてください。
推し、燃ゆ 宇佐見りん
今日も地球は丸いし仕事は終わんないし推しは尊い
芥川賞受賞、おめでとうございます。
あたしは推しの存在を愛でること自体が幸せなわけで、それはそれで成立するんだからとやかく言わないでほしい。
好きなものを好きということが恥ずかしくない。
堂々と言えることの方がかっこいいって思える時代になっている気がします。
表現が独特で、生きづらさに共感できて、今の若者の言葉で綴られている素晴らしい作品です。
そして、バトンは渡された 瀬尾まいこ
あなたみたいに親にたくさんの愛情を注がれている人はなかなかいない
優子ちゃんのお母さんになってから明日が二つになったって。
自分の明日と、自分よりたくさんの可能性と未来を含んだ明日が、やってくるんだって。
親になるって、未来が二倍以上になることだよって。
世の中のお父様とお母様はこんな風に感じるんですかね。
自分よりも大事な明日。
こんな風に感じられる日が来るといいなと思います。
家族とは何か、血のつながりとは何か、一緒に暮らすとは何か 親が変わる=不幸 と考えがちですが、そんなことはなくとてもほっこりする作品でした。
小説の神様 相沢沙呼
強くなくていい。
失敗しても、嫌われても、挫折を繰り返してしまっても。
君は、主人公になってもいいのだと、ページを綴る誰かへ、そう伝えるために。
ここ数ヶ月たくさんの本を読んだけど、こんなにも激しい嵐のように感情をあらわにしてる情景を感じたことはありませんでした。
何かを生み出すクリエイターはぜひこの作品を読んでほしい。
物語には心を動かす力がある。
舟を編む 三浦しをん
言葉を生み出す心は、権威や権力とは全く無縁な、自由なものなのです。
辞書を作るという仕事、プロジェクトを遂行していく仲間とのチームワーク、言葉の素晴らしさ
新しいことから再度考えさせられることなど、さまざまな物語が詰まっている作品です。
馬締のラブレターは最高なので、ぜひ最後までご覧ください。
まとめ
読書の時間をちゃんと作れたので、久しぶりにたくさん本を読めた1ヶ月でした。
読書は心を豊かにしてくれるなと実感。
このペースを維持していきたいと思います。
ご感想や質問はこみーのTwitterのDMか質問箱にいただけると幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
ではまた!
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