こんにちは。
いまだに近所が停電している市原市に住んでいるこみー(yuzu_Tkm)です。
今回はこの前お手伝いした被災地の食事の無償提供についてお話ししたいと思います。
キッチンカー8台で600食無償提供
停電から4日後、地元の公民館にキッチンカーが来て困っている人に無償で食事を提供してくれるということがありました。
この時公民館周辺の地域は復旧していて、部分的にまだ復旧していない地域があるという状況です。
近くのスーパーやドラッグストアはその日にやっとお店が開き始めたものの、商品はあまりありません。
今回キッチンカーを手配するのに動いてるのは、普段お世話になっている民間企業の代表と市役所の地方創生の方。
午前中に代表から連絡が来て、どの地域に優先的に支援が必要なのかを調べて欲しいとのことでした。
普段一緒に活動している人たちが頑張って動いてるし、まだ復旧していなく困っている知人もいたので、動かない理由がありません。
今回の1番の問題は
「本当に支援が必要な人に届くかどうか」
ぼくは朝から支所やいろんな人に連絡したり、実際に車で地域を周ったりしながら情報を集めました。
直接家に配りに行く
ぼくらが考え出した一番いい方法は、公民館を拠点にして地元の人が知っている人の家に配りに行くということでした。
市役所が大元なので、このような柔軟な動きは市役所の方でできません。
キッチンかーを分散するという意見もあったのですが
「なんでそっちの地域ばっかり支援が行くのか。」
「不平等だ」
という声も上がっていると聞きました。
平等ってなんだよと思いながらも無視して一番いい方法を探します。
独居老人がどこに住んでいるのか知っているのは地元の人なので、こんな時こそ地元の人の力が大事だと思いました。
そんなこと考えているうちにキッチンカーが来る夕方になります。
必要なのは現場での判断
17:30からキッチンカーの支援が始まるという情報を、市役所や消防の人を中心に地域にアナウンスしたところ、17:00ごろからちらほら公民館に人が集まり始めます。
しかしながら地元のぼくらは提供に関するルールを全く知りません。
1人何個まで受け取れるのか
もう一度並び直すことはできるのか
停電や断水など被害がない人でも受け取ることができるのか
提供に関して決めなければいけないことがたくさんありました。
市役所の人が来るからそれまで待とうということになりましたが、もうキッチンカーの前には人が並び始め提供するお店側の人もどうすればいいか困っている状況です。
さらに団地一体でまだ復旧していない地域からは、車を運転できない高齢者も多く公民館まで行けないのでこっちまで提供する食事を持ってきてくれないかという連絡も。
現場で判断して動くしかなくかなりエネルギーを消費します。
そうこうしているうちに提供する時間に。
並んでいる人がかなり多くなり、キッチンカーの人たちも回らなくなり始めます。
追い討ちをかけるように、公民館の駐車場は車でいっぱい。
誰か交通整理をしなければなりませんが、誰がやるの?という問題。
しかも、たまたまその道を通る車なのか、食事を受け取りに来た車なのか、もう食事を受け取った車なのか、見分けがつかずどこに車を通していかわからない状況。
ぼくらは軽くパニックです。
実際に来る人は困っていない人たち
キッチンカーに並んでいる人を見ると、被害にあっていない人がほとんどでした。
ほとんどの地域で停電していたにも関わらず、停電しなかった地域の人が食料を受け取りに来ています。
市内の小中学校はしばらく学校が休みのため、普段あまり見ないキッチンカーや久しぶりにあった友達とはしゃいでいて、会場はまるで小さなお祭りのようでした。
ぼくらが届けたかった地域から
「こっちはもう暗くなってきて高齢者は寝始めるから、並んでる人たちに提供してあげて」
という連絡もいただきました。
なんのための支援なんだろう。
本当に届けたい人に支援したいと思って動いている人がいる中で、ぼくはなんとも言えなくなりました。
必要な情報が手に入らない
今回すごく感じたのは必要な情報がすぐに手に入らないことです。
・今動いているのはどこの誰なのか
・何時からどこで何が行われるのか
・本当に困っている人たちはどこの誰なのか
本当に困っている人たちには今回の動きも伝わらず、伝わったとしても指定の場所まで行けない状況にあることがいちばん課題でした。
その人たちにどうしたら届けられるのか、いろんなこと考え話し合いましたが、結果的に届けることができませんでした。
千葉県民の思考
ぼくの個人的な意見ですが、千葉県民特有の考え方が背景にあると思います。
今まで千葉県はここまで大きな被害を受けることがありませんでした。
台風も関東に直撃することはあっても千葉県だけ影響がないということも少なくありません。
なので今回も
いつものように台風も過ぎてくれるだろう、停電が起きてもすぐ復旧するだろう。
そんな風に軽く考えていて、この状況やばいなと感じ始めた人は台風から3日目くらいです。
市役所もどうしていいかわからなくて当然です。
みんなどうしていいかわかりません。
誰も悪くありません。
今回の被害で災害時にどうするべきかは市役所だけではなく、一人一人が考えておかなきゃ行けないことだと実感しました。
それでもやってよかった無償提供
これまでネガティブな書き方をしてきてしまいましたが、ぼくはこの食事の無償提供はすごく価値のある取り組みだと思いました。
被災した地域はどうしても気分が沈んでしまいがちです。電気が来ていな時は余計です。
そんな地域にお祭りのような雰囲気を作ってくれた今回の企画。
どこの家庭も自分の家の周りの不幸自慢がしたかったり、どこかにモヤモヤをぶつけたかったり。
人がたくさん集まる環境ができたため、知り合いにあってずっとおしゃべりをしている人やボランテイアのぼくらに話をしてくれる人もいました。
全員が納得できる取り組みではなかったかもしれないけど、やってよかったと思います。
最後にお願いです。
ニュースで自治体は何をしてるんだとよく言われていますが、市役所の方は全力で市民のために活動してくれています。
今回も無償提供を行うと数時間の間に決めたことです。
市役所職員だけではなく、そのような判断をしている方、動き回っている方もたくさんいます。
まずは困っている地域が、困っている人が、何をして欲しいのか耳を傾けてください。
ぼくらも何をして欲しいのかわからなこともあると思いますが、よろしくお願いします。
今回は無償提供について書きましたが、身の周りのことについても書いているので、もっと個人レベルでどう言う災害があるのかを知りたい方はこちらをご覧ください。
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