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キッチン

書評

 

私がこの世でいちばん好きな場所は台所だと思う。

 

 

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キッチン あらすじ

家族という、確かにあったものが年月の中でひとりひとり減っていって、自分がひとりここにいるのだと、ふと思い出すと目の前にあるものがすべて、うそに見えてくる―。唯一の肉親の祖母を亡くしたみかげが、祖母と仲の良かった雄一とその母(実は父親)の家に同居する。日々のくらしの中、何気ない二人の優しさにみかげは孤独な心を和ませていくのだが…。世界二十五国で翻訳され、読みつがれる永遠のベスト・セラー小説。泉鏡花文学賞受賞。

小説っぽい小説

最近の小説って何か読み手が驚くような伏線回収しなきゃみたいな小説が多い気がして。

もちろんあるテーマやある世界観に入れる作品を文章で表現することはめちゃくちゃすごいのですが、それに慣れてしまっている自分がいると認識してしまっているというかなんというか。

なんか小説ってこういう特に何もない日常をの風景を、ちょっと変わった角度から表現できることなのかなって思います。

この作品はまさにそれ。

隣にいる人にそれどんな話?って聞かれたとき、パッとどんな話か言えなくて、物語を読んでると答えるしかないみたいな。

そんなとき、あ、今、小説読んでる。って思います。

久しぶりにそんなふうに思いました。

カツ丼が食べたくなる

この作品を読むとカツ丼が食べたくなるんですよ。

少しこの物語に関わってくるので、あまり深いことは言えませんが、カツ丼が食べたくなります。

あの時の主人公の行動って不思議だな〜って思うけど、女性は体が動いてしまうものなんですかね。

女性のみなさま、ぜひご意見お待ちしています。

心に刺さった言葉

本当にひとり立ちしたい人は、なにかを育てるといいのよね。子供とかさ、鉢植えとかね。そうすると、自分の限界がわかるのよ。そこからがはじまりなのよ。
(中略)
人生は本当にいっぺん絶望しないと、そこで本当に捨てらんないのは自分のどこなのかをわかんないと、本当に楽しいことがなにかわかんないうちに大っきくなっちゃうと思うの。あたしは、よかったわ。

うわ〜って思いました。

鉢植え、枯らしてしまう自信があります。

子供、そんな覚悟できないよって思ってしまいます。

でももし挑戦したら、どうなるかなってワクワクします。

育てやすい鉢植えから始めてみようかなと思って、調べてみたら、「カジュマル」って植物が初心者におすすめらしいですね。

どこかで安く手に入られそうならやってみようかな。

何かおすすめの鉢植えがあったら教えてください。

キッチン 感想

こういう誰かに勧められたのを思い出して手に取るって出会い方いいですよね。
あの時読んでいたら少し変わっていたかもしれないって本、みなさんはありますか?
ぼくは小説だと、大原扁理さんの『年収90万円でハッピーライフ』を発売したときに読みたかったなと思いました。こんな生き方もあったんだって世界が広がる作品です。

 


この作品をうまく言葉で表現できる人はすごいなって思います。不思議な高揚感という抽象的な表現でぼくには伝わりました。

 

他人が入り込めない居場所を作って孤独や不安を埋める。素敵な表現です。生物の本能なんですかね。生き延びるためには必要な心のスペース。

まとめ

BOOKOFFに行ったとき、「吉本ばなな」さんの作品って読んだことないなって、この本を手に取っていました。

たまに有名な人の作品をこんなふうに購入してしまうことがあります。

なんとなく読んでおこうって。

特に明確な読みたいという願望や欲があるわけじゃないんですよね。

でも、そんなふうにさらっと手に取った物語がけっこう心に刺さったりして、あ、この本読んで良かったなって思います。

『キッチン』、不思議な感覚になる作品です。

ご感想や質問はこみーのTwitterのDMか質問箱にいただけると幸いです。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

ではまた!

書評小説
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