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地球星人 人間工場と戦うポハピピンポボピア星人

書評

 

そのいち、他の子と手をつないだりしないこと
そのに、寝るときは指輪をつけて眠ること
③なにがあってもいきのびること

 

 

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地球星人 あらすじ

恋愛や生殖を強制する世間になじめず、ネットで見つけた夫と性行為なしの婚姻生活を送る34歳の奈月。夫とともに田舎の親戚の家を訪れた彼女は、いとこの由宇に再会する。小学生の頃、自らを魔法少女と宇宙人だと信じていた二人は秘密の恋人同士だった。だが大人になった由宇は「地球星人」の常識に洗脳されかけていて……。
芥川賞受賞作『コンビニ人間』を超える驚愕をもたらす衝撃的傑作。

人間工場とは

この作品は最初の3分の1が主人公が小学生のころの話、残りの3分の2が大人になってからの話という構成です。

この作品に頻繁に出てくる単語のひとつに「工場」があります。

それは「人間工場」を表す言葉で、「人間工場」とは、人間を製造する工場のこと。

作中にはこのように表現されています。

私は、人間を作る工場の中で暮らしている。
(中略)
私の子宮はこの工場の部品で、やはり同じように部品である誰かの精巣と連結して、子供を製造するのだ。オスもメスも、この工場の部品を身体の中にかくして、巣の中を蠢いている。

村田さんの視点は本当に素晴らしいですね。

途中で洗脳されそうになる

確かに主人公たちが言っていることに共感できる部分があります。

子どもを作ろうとしないと両家の親たちや周りの人たちから変に思われることってありますよね。

今でも子どもが産めないのなら結婚を許さないという考え方もあるくらいです。

そういった「人間工場」の考え方の違和感に共感できることもあり、途中動物(ポハピピンポボピア星人)として生き始める主人公たちが本来の姿でもあるのかなと思えてしまいました。

作中ではポハピピンポボピア星人は伝染すると言われていますが、本当に周りにポハピピンポボピア星人しかいなかったら伝染する気がします。

地球星人 感想

 

併走する感じしましたね。特に後半の、助けに行かなきゃと動き出す主人公たちにワクワクします。

 

 

コンビニ人間が少し可愛く思えてしまうほどインパクトのある作品です。
世界にも影響を与えている村田さん、さすがです。

 

 

人間社会に対してかなりの衝撃を与えてますよね。
勝手なイメージですが、頑固なおじいさんがこの作品読んだらどう思うんでしょう。
なんだこの小説はとなるのか、価値観がだいぶ変わってるなと思うのか。

 

 

理解できないというか気持ち悪いみたいな感想もありますよね。
こういう発信をちゃんとできる人ってすごいなと思います。

 

 

「見たくないものを見てちゃんと暮らしている人が、世界にはたくさんいるんだ」
ぼくの見解としては、見ないほうが幸せなら見ないに越したことはないと思いますね。
少し、ポハピピンポボピア寄りかも(笑)

まとめ

村田沙耶香さんの作品は『コンビニ人間』『消滅世界』、そしてこの『地球星人』の3冊を読みました。

どの作品も「普通とはなんのか」「社会とはなんなのか」「セックスとはなんなのか」に触れているような気がします。

自分の世界をかなり広げてくれる作品ばかりなので、おすすめです。

かなりぶっ飛んでいるので体力が必要ですが(笑)

他にも村田沙耶香さんのおすすめの作品がありましたら、教えてください。

ご感想や質問はこみーのTwitterのDMか質問箱にいただけると幸いです。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

ではまた!

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