スポンサーリンク

書評:シン・ファイヤー

ノンフィクション

幸せをお金で買えないってことは、ある意味フェアですよね。

スポンサーリンク

シン・ファイヤー あらすじ

インフレだ、円安だ、老後不安だという「お金の心配」から自由になる!『家事か地獄か』(稲垣)×『年収90万円で東京ハッピーライフ』(大原)の最強タッグに学ぶ、シンのFIREへの道―。

 

百万年書房より

シン・ファイヤー お金じゃなくて幸せについて書かれている本

『シン・ファイヤー』はお金のことではなく、幸せに生きることについて書かれいている本だと思いました。

大原さんと稲垣さん、ふたりの生き方や考え方を通して、「お金があれば幸せになれる」という考え方の視点を変えてくれる作品です。

ぼくは文学フリマ東京39に参加した際、大原さんが直接販売していたところに偶然出会いました。

こんなふうにサインも書いていただき、空いてるスペースには稲垣さんに書いてもらってと素敵なお気遣いもいただきました。

作家さんと急に距離が近くなるとテンパりますよね。とても貴重な体験でした。

シン・ファイヤー 心に残った名言たち

稲垣:Financial Independence Ritire Earlyの中に、Happy(幸せ)と言う言葉が入っていないと思ったんです。結局FIREしてもしなくても、Happyはそれと別に自力でつかまなきゃいけないんだと。つまり、FIREを達成しても不幸せな人もいるし、FIREを達成していなくてももうすでに幸福になっている人もいるってことじゃないですか。ここにいろんなことの本質があるんじゃないかと思いました。だから、きっと、FIREを達成した後で気づくんでしょう。「あれ?幸せって自分でならなきゃいけないんだ」って。

p68

「お金がある=幸せ」とは限りませんよね。お金があれば解決できること、救えること、選択肢が増えることはありますが、=幸せではない。でも、お金がなくても幸せを感じることができる人は幸せなんですよね。堂々と自分が幸せだって言えることが大事な気がします。

稲垣:洋服は姿勢とスタイル。どんなにボロボロの服を着ていても、姿勢が良ければ似合うんです。

p207

姿勢とスタイル。オーラってやっぱりありますよね。身につけているものではなく、自分の内側から出るもの。何を身に纏っても似合う自分になりたいですね。

大原:「日本酒好きな身内で集まって飲もうぜ」だと閉じているじゃないですか。知り合いじゃない人に来られても「え?誰?」みたいな。でも、そこにお金が介在することで広げられる。お金って、そういう使い方をすると有効な手段ですよね。風通しを良くしてくれる。たぶん、お金ってそういう役目を担うものだと思うんです。

p217

これぼくにとってはとっても刺さる言葉。閉じている関係性で遊ぶのは得意だと思っているんですが、それをオープンにしていくのがこれからの課題だと感じています。何をやるかよりも、誰とやるかが大事なので、クローズな場所に行きがちですが、一方で新しい世界を見たいという欲求もあるので、そことのバランスをうまく取っていきたいなと思っています。

稲垣:人にはやっぱり生きる上で頼るものが必要で、正義を自分の中で持っていることが悪いとは言い切れないんじゃないかな。でも確かに正義で自分の弱さを誤魔化そうとするのは気をつけたほうがいいと、今のお話を聞いて思いました。そこで、自分に自信をつけるためには、何度も言うけどやっぱり家事だと思うんです。
大原:本当にそう。自分の中に眠っている財産を思い出すこと。

p259

稲垣さんの『寂しい生活』や『魂の退社』を読んだことがあるのですが、どの作品にも家事の重要性について書かれていました。自分が自分であるための行為。自分の足で立っているという感覚を実感できる最初の行動ですよね。

『寂しい生活』も『魂の退社』も素敵な作品なので、こちらで紹介しておきます。

寂しい生活 元朝日新聞編集者稲垣えみ子の究極節約生活
生きるってね、面倒くさい。 でもね、面倒くさいからこそね、素晴らしいんだ。 寂しい生活 /東洋経済新報社/稲垣えみ子 posted with カエレバ 楽天市場 Amazon 寂しい生活 元朝日新聞編集者による節約の物語 『寂しい生活』の作...
書評:『魂の退社 会社を辞めるということ。』 仕事について考えさせられるエッセイ
組織は強い。しかし強いゆえに弱いのです。事なかれ主義、長いものには巻かれる。人間の持つ本質的な欲や弱さが集団になるとたちまち顕在化し、組織そのものを蝕んでいく。 魂の退社 会社を辞めるということ。/幻冬舎/稲垣えみ子 posted with...

2025年の上半期、いろんなことがあったけれど、変わらずに一人暮らしを続けられていることが、生きるモチベーションになっていると感じています。自分で自分の尊厳を保てているというか。これが実家だったら、もっと回復に時間がかかったんだろうな。

一方で、一人で生きているよりも誰かと一緒に住んだほうが地球にとっては優しいよなと感じることも、一人暮らしをはじめて思います。これ一人で払ったり消費したりしているけれど、無駄じゃない?って思うことが多い。

協力して生きることで一人で生きる負担を減らせることってたくさんある。

誰かと住むってことはとってもめんどくさいんだけどね。

AIがこれだけ発達し、人と話す機会が著しく減ってきている現代だからこそ、他人とやりとりをするというめんどくさいことに向き合うことが大事なんだろうなと思いました。

大原:いやもうこの厳しい時代を生きてるっていうだけで、みんな超エライですよ!でも確かに今の社会って、ただ生きてるだけじゃ許してもらえないみたいなプレッシャーがありますもんね。だとしても、評価軸が自分のところに無さすぎるという感じがしますが。

p292

生きているだけで、いいのにね。いつの時代に生まれても、きっと生きることって大変なんだろうなって思う。その時代ごとの課題がある。今の時代はこれまでの時代と比べると、自分で自分にいいねが押せることが大事なんだろうなと思いました。「自分で自分にいいねが押せること」、これは作中の大原さんの言葉です。

大原扁理さんの『不安は9割捨てました』、『年収90万円でハッピーライフ』も素敵な作品なので、紹介させていただきます。

不安は9割捨てました
周囲なんて困惑させとけばいいじゃないですか 隠居生活10年目不安は9割捨てました /大和書房/大原扁理 posted with カエレバ 楽天市場 Amazon 不安は9割捨てました あらすじ 25歳で始めた隠居も気づけば10年目。 お金、...
年収90万円でハッピーライフ
親不孝でも、わたしはやっぱり、あのときの自分の味方をしたいんです。だって自分以外に味方をしてくれる人いなかったんだもん。何が何でも、「あなたはそのままでいいよ」って言ってあげたい! 年収90万円でハッピーライフ /筑摩書房/大原扁理 pos...

まとめ

お金の力ってすごいですよね。

資本主義というルールで日本が回っている以上、どうしてもお金の存在を無視できないことがあります。

実際にお金がないと、心が貧しくなる感覚をぼくは知っています。

自分は社会と接続できていないんじゃないか。
どうしようもない人間なんじゃないか。
お金のことしか考えられなくなる時間はとても苦しいです。

稲垣さんは、家事が大事だと本書でおっしゃっていました。

ぼくは人としゃべることがとても大事だと感じています。ちゃんと人と繋がれている感覚を実感できる時間ですね。

そして、お金じゃない評価軸で自分を客観視すると、とっても充実した人生を送れているようにも捉えることができます。そのことに気づくにも、人としゃべることがきっかけだったりします。

この本はそのことに気づかせてくれた本の一冊でした。

 

毎週土曜日の21:00に配信するニュースレターを始めました。

Twitterやブログよりもう少しだけこみーに近づけるメディアとして、読書好きの1人の男性の読書ライフをお届けできればと思っています。

興味のある人はぜひご登録してみてください。

こみブロ通信
本が好きな1人の男性の読書ライフをお届けするニュースレター。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

ではまた!

 

 

 

 

 

ノンフィクション
スポンサーリンク
シェアする
こみブロ!

コメント

タイトルとURLをコピーしました