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52ヘルツのクジラたち 本屋大賞 感想

書評

 

 

わたしは、あんたの誰にも届かない52ヘルツの声を聴くよ。

 

 

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52ヘルツのクジラたち あらすじ

52ヘルツのクジラとは―他の鯨が聞き取れない高い周波数で鳴く、世界で一頭だけのクジラ。

たくさんの仲間がいるはずなのに何も届かない、何も届けられない。

そのため、世界で一番孤独だと言われている。

自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれていた少年。

孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会い、新たな魂の物語が生まれる―。

 

本屋大賞ノミネート作品

 

この作品は2021年の本屋大賞にノミネートされています。

それでぼくも知りました。

こんなツイートをしてしまうくらい購入した時は嬉しかったです(笑)

人間という生々しさを感じる作品

この作品のキーワードをピックアップしてみました。

愛、友情、虐待、孤独、親子

このキーワードだけでも生々しさが想像できると思います。

読んでいて
どうしてそんなこと言えちゃうの?
なんでそんなことできるの?
と目を背けたくなるシーン、共感しすぎて目頭が熱くなる場面が、何度かありました。

立ち向かったり、時には逃げ出してしまう貴瑚の姿に、自分を重ねることができるそんなお話です。

田舎ならではの繋がり

何かも捨てて引っ越してきた場所は、徒歩15分にあるコンドウマートか車で20分のイオンでしか食料品を購入できない海の見える田舎まち。(写真はイメージ)

人と関わりたくなくてここに来た貴瑚(きこ)です。

「何かあった時助けられるから」
と親しくしようとする人に対しても
「わたし、助けられたくないんだよ」
と返してしまいます。

個人情報はダダ漏れ。根も歯もない噂は広がる。

ですが、この繋がりに助けられることになるのです。

 

ぼくは田舎に住んでいるので、この田舎の雰囲気にとても共感できました。

人との繋がりが嫌になって出て行く人もいれば、人の温もりを求めて田舎に来る人もいます。

「お互い様」「困った時は助け合う」
この感覚都会ではあんまりないと友達から聞いた時はちょっと驚きでした。

ぼくは好きです。人との繋がり。

 

心に残った言葉たち

親から愛情を注がれていない、孤独の匂い。
どれだけ丁寧に洗っても、消えない。
孤独の匂いは肌でも肉でもなく、心に染みつくものなのだ。

 

なんとも言えない雰囲気を匂いで表現しているこの言葉に感動しました。
肉って表現がまた生々しさを引き立てますね。

 

あんな虫ケラみたいなもの産むんじゃなかったって毎日思ってる。
てか、虫けらだったらパンって潰してそれで終わりにできるのにね。
だから虫けらより性質が悪い。

 

読み終わった後にもう一度戻って読み直してしまった部分。
ぼくは親子の間で何か問題があるわけじゃないけど、この言葉は頭から離れませんでした。
どうすればこんな感覚になれるのだろうって怖かったです。

 

人というのは最初こそ貰う側やけんど、いずれは与える側にならないかん。
いつまでも、貰ってばっかりじゃいかんのよ。

 

田舎のおばあちゃんの言葉。
すごく重みがある。
自分はまだ貰ってばっかりだなと考えさせられました。
与える側になれるように頑張りたい。

52ヘルツのクジラたち 感想

 

 

この作品は一気に読めちゃいます。それくらい引き込まれます。

 

 

これは気づきませんでした。おしゃれですね。こういうところに惚れたりします。

 

 

「魂の番(つがい)」って表現、すごく好きです。
「魂の番」いてほしいですね。

 

 

本当に辛くて切なくて泣けるお話です。

 

 

確かに音の領域で考えれば低いかもしれないですね。
知らんがなに笑ってしまいました。

 

まとめ

この作品の帯は凪良ゆうさんが担当しています。

なんて痛々しくて力強い物語。
人と交わることで生まれる歓び、悲しみ、後悔。
それらを抱えて生きていくこと。
描かれる命の循環に胸を衝かれました。

ぜひ痛々しくて力強い、『52ヘルツのクジラたち』を読んでみてください。

ご感想や質問はこみーのTwitterのDMか質問箱にいただけると幸いです。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

ではまた!

 

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