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出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと

書評

 

なんだ、同志はこんな近くにいたのか、早く言ってくれよ

 

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あらすじ

夫に別れを告げ家を飛び出し、宿無し生活。どん底人生まっしぐらの書店員・花田菜々子。仕事もうまく行かず、疲れた毎日を送る中、願うは「もっと知らない世界を知りたい。広い世界に出て、新しい自分になって、元気になりたい」。そんな彼女がふと思い立って登録したのが、出会い系サイト「X」。プロフィール欄に個性を出すため、悩みに悩んで書いた一言は、
「今のあなたにぴったりな本を一冊選んでおすすめさせていただきます」———。

実際に出会った人達は魑魅魍魎。エロ目的の男、さわやかに虚言癖の男、笑顔がかわいい映像作家……時には自作ポエムを拝見し、かわいい女子に励まされ、優しい女性のコーチングに号泣しながら、今までの日常では絶対に会わなかったような人達に、毎日毎日「その人にぴったりの」本を紹介。え、もしかして、仕事よりもこっちが楽しい?!

サイトの中ではどんどん大人気になる菜々子。だがそこに訪れた転機とは……。
これは修行か? 冒険か? 「本」を通して笑って泣いた、衝撃の実録私小説!

 

タイトルのインパクト!

『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと』

誰しもがタイトルに惹かれるのではないでしょうか。

これだけどんな話かわかりやすく、読んでみたいと思うタイトルないですよね。

実話を元にしていてすごく読みやすい作品となっています。

今だから抵抗が薄れた出会い系サイト

「出会い系サイト」と聞いて、どんな風に感じますか?

今の10代や20代は「マッチングアプリ」というネーミングで使っていてもおかしくはないのではないでしょうか。

マッチングアプリで友達を作ったりする時代ですから(笑)

この作品は2017年にwebで掲載されたものです。
2017年というとまだそこまでマッチングアプリは広まっていなかった時代。

人に出会い系のアプリを使っていると口にするのは、なかなか抵抗があったのではないのでしょうか。

生き方について考えさせられる作品

出会い系サイトを通していろんな人に出会う菜々子。

そこでたくさんのことを経験します。

菜々子は出会い系サイトであった人だけではなく、職場の人でも面白い人がいると気づきます。


少し扉を開けば近くに同士がいたと。


自分の近くにも同じ悩みや同じ希望を抱えている個性豊かな人がいるんだと。

この作品を読んで

「自分と同じような仲間になる人は意外と近くにいる」

ということをぼくは感じました。

モヤモヤしている時に人に出会い、その出会いがきっかけで考え方や気持ちの持ち用が変わる、というようなことは経験したことはありませんか?

この小説はその過程がぎゅっと濃縮されている作品です。

心に刺さった言葉たち

私の天職は何なんだろうか。
なんとか自分がやっていける場所が欲しいだけじゃないのか。
私だって誰かの役に立ちたいのだ。

 

「天職」を辞書で引くと
天から授かったつとめ。神聖な職務。自分の生まれつきの性質に合った職業。
と出てきます。
自分の存在意義が感じられる、それでいて楽しくて未来に希望がもてるような職場がいいですよね。

 

それぞれの人生のダイジェストを30分で聞いて、こちらの人生のダイジェストを30分で伝える。
限られた時間の中でどこまで深く潜れるかにチャレンジするのは楽しかった。
ロープをたぐってするすると降りていって、湖の底に素潜りして一瞬握手して、また浮上してくるような時間には、特別な輝きがあった。

 

出会い系サイトで会った人と話すことを、こんな風に例えています。
面白い表現だし、すごく難しそうだと思った。だからこそ楽しいかもしれない。

 

書けば書くほど言葉が上滑りしているようで、どこかで聞いたことのあるような平凡な言葉になってしまっているような気がして、それは自分の言葉をちゃんと写し取ってくれていなかった。

会いたい人に初めて文章を送るときの気持ちを現した一文。
自分がいいなって思ったことや大事だなって思ったことって、言葉にすると平凡になってしまいますよね。
すごく共感できました。

 

出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと 感想

 

自分のことを凡人って思ってる人ほどハマるかもしれませんね。
きっとこの人面白いなって感じている人もあなたのことを面白いって思ってると思います(笑)

 

実は作者の菜々子さんは本屋さんをやっています。
ぼくも会いに行きたいなって思っています。

 

読書会、楽しそうだなって思っていて、いつも参加できていないので、近いうちに参加したいなと思っています!
もし面白そうな読書会がありましたら、誘って下さい!

 

人と本との出会いって本当に大事ですよね。
ぼくも読書アカウントでたくさんの人と繋がれてよかったなと思っています。
これからもいろんな人と交流していきたいです。

 

この作品では実在している本の紹介をしています。
作品の最後にまとめてくれていて、それだけでもすごく価値がありますよね。

まとめ

自分の好きな本を、ある人が読んでいるだけでも嬉しいのに、それを人に紹介しているのって嬉しいですよね。

この作品で菜々子さんが自分が読んだことのある本を紹介しているシーンはとても興奮しました!(笑)

その人に合いそうな本を紹介するってすごく面白い取り組みだなと思うので、機会があったらぜひやってみたいですね!

ご感想や質問はこみーのTwitterのDMか質問箱にいただけると幸いです。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

ではまた!

書評エッセイ
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