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生きるぼくら 原田マハさんによる家族の絆とお米の話

書評

 

 

あんたはちっとも、なさけなくなんかない。堂々と、自分の人生を、自分の好きなようにいきなさい。それで、いいじゃない。

 

 

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生きるぼくら あらすじ

いじめから、ひきこもりとなった二十四歳の麻生人生。頼りだった母が突然いなくなった。残されていたのは、年賀状の束。その中に一枚だけ記憶にある名前があった。「もう一度会えますように。私の命が、あるうちに」マーサばあちゃんから? 人生は四年ぶりに外へ!祖母のいる蓼科へ向かうと、予想を覆す状況が待っていた。人の温もりにふれ、米づくりから、大きく人生が変わっていく。

人のつながりを感じることのできるお話

親子の絆、親族との絆、周りの人との絆を感じることのできる作品です。

父親の死、いじめ、母の失踪に加え、突然現れた血の繋がった妹、認知症になってしまった祖母など、複雑な人間関係のなかで、引きこもっていた主人公が米作りを通じて成長していきます。

血の繋がった人がいることの大切さや、食べ物を作ることの素晴らしもこの本から学ぶことができるため、読書感想文の本に選んでいる学生もいるそうです。

ちなみにぼくは親子愛(母と息子)系の話には弱くて、この作品も後半は目をうるうるさせながら読んでいました。(病院の待ち時間に読むものではありませんでした)

田舎・古民家・米作り

この作品の舞台は長野県の茅野市。

古民家に住むおばあちゃんと一緒に住みながら、機械や農薬などを使わずにお米を育てていきます。

調べたところ、そのお米の育て方はフィクションではなく、実際に今もその方法でお米を育てている方がいるそうです。

作者の原田マハさんのエッセイ『ラブコメ』にその様子が描かれているらしいので、興味がある人はぜひ見てみてください。

生きるぼくら 名言

ぼくがこの作品で唯一心をうたれて付箋を貼ったシーンがあります。

ねえ人生。母ちゃんは、あんたのことを、くだらないともなさけないとも思わない。

あんたをいじめる生徒のほうが、あんたよりよっぽどくだらないのよ。

あんたを見放した学校のほうが、あんたよりよっぽど意気地が無いのよ。

あんたを雇ってくれない会社のほうが、あんたよりよっぽど感性がないのよ。

あんたはちっとも、なさけなくなんかない。堂々と、自分の人生を、自分の好きなようにいきなさい。それで、いいじゃない。

主人公と同じ立場になってしまったとき、母からこんな言葉をかけられているところを想像しただけで涙が出そうになります。

そのままでいていいよって言ってくれる人がそばにいることってすごく救われますよね。

お米を育てていくお話も素敵ですが、冒頭の主人公の境遇のお話がすごく切ないと感じました。

生きるぼくら 感想

こんな時代だからこそ、「生きよう」と前を向いて歩いていけることって大事ですよね。勇気をくれる作品だと思いました。

 

いじめの描写がすごくリアルで、読んでいて辛くなってしまいました。
きっかけは少し強引ですが、引きこもっていた部屋から飛び出せてよかったなと思います。

 

この作品はお家で読みましょう。電車や人の目があるところは危険です(笑)

 

地震や台風など自然災害があったとき、食べ物を作っている農家さんってすごいなって思います。
農家のみなさん、いつもありがとうございます。

 まとめ

あくまで個人の感想なので、へー、そうなんだーくらいで聞いてほしいのですが、こういう田舎での暮らしって美談にされがちだな〜って思ってしまうんですよね。

というのも、自分が田舎で生まれ育ち、地域に関わる仕事をしていて、田舎ならではのしがらみやめんどくささを知っているから。

そして、田舎に移住したら農的な暮らしをするのが一つの幸せの形みたくなってるのがつまらないって感じています。

大手企業に就職して東京でマイホームを建てるのと同じような感覚。

田舎にいたって農業やらなくて良いじゃんって思うし、よそものに対する敵対心というかなんというか…生きづらい…。

もちろん、田舎の豊かな自然や人の温かさなど良いところもたくさんあります。

どっちが良いとか悪いとかではないのですが、この作品を読んで記事を書いているときは悪いことが重なってしまっているときだったので、作品の素晴らしさを素直に受け止めきれませんでした。

田舎暮らしをあまりイメージできていない人は、参考になるお話だと思います!

ご感想や質問はこみーのTwitterのDMか質問箱にいただけると幸いです。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

ではまた!

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