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ひらいて 綿矢りさワールド全開の青春恋愛小説

書評

 

 

正しい道を選ぶのが、正しい。
でも正しい道しか選べなければ、なぜ生きているのか分からない。

 

 

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ひらいて あらすじ

華やかでモテる女子高生・愛が惹かれた相手は、哀しい眼をした地味男子。自分だけが彼の魅力に気づいているはずだったのに、手紙をやりとりする女の子がいたなんて。思い通りにならない恋にもがく愛は予想外の行動に走る――。身勝手にあたりをなぎ倒し、傷つけ、そして傷ついて。芥川賞受賞作『蹴りたい背中』以来、著者が久しぶりに高校生の青春と恋愛を瑞々しく描いた傑作小説。

恋をしている複雑な気持ちをうまく表現

恋をしているときの身体の内側から滲み出てくるようなどうしようもない気持ちや、うまくいかないもどかしさをうまく表現されている

というのが率直な感想です。

主人公の女子高生がクラスの男の子を好きになる。

彼には秘密にしている彼女がいる。

主人公はその彼女に近づき、仲良くなり、最終的にその女の子と寝る。

あなたの恋人と寝た彼に伝える。

私のものになって欲しいと彼に告げる。

できことだけでもすごい物語ですよね。

この物語で語られる主人公の感情、付き合っている2人しか分からない、みんなとは違う世界にいるという繋がりの表現が、これ以上は伝えられないくらいにうまく描かれていました。

ひらいて 印象に残った表現

同じ空気を吸う打だけじゃ物足りない。
一つ願いが叶うと、もっと、もっと、近づきたい。
心も体もゼロ距離にして寄り添いたい。
なのに顔が直視できない。

好きになった人への表現の仕方が独特でとても印象に残りました。
欲のリミッターが外れていく感じがうまく表現されていてすごく好きです。

 

衝動的に行動してすぐに衝動的に謝る人間は、反省が足りないから、すぐまた同じことをくり返す。

恋愛とは関係ないんだけど、なんとなく思い当たる節があって。
核心を突かれた気がしました。

 

愛は、唾棄すべきもの。踏みつけて、にじるもの。ぬれた使い古しの雑巾を嗅ぐように、恐る恐る顔を近づけるもの。鰯の薄黒いはらわた、道路に漏れるぎらついた七色のガソリン、野外のベンチに薄く積もった、ざらざらした黒いほこり。

恋は、とがった赤い舌の先、思いきり摑む茨の葉、野草でこしらえた王冠、頭を垂れたうす緑色の発芽。休日の朝の起き抜けに布団の中で聞く、外で遊ぶ子どもの笑い声、ガードレールのひしゃげた茶色い傷、ハムスターを手のひらに乗せたときに伝わる、暖かい腹と脈打つ小さな心臓。

こんな日常な何気ないシーンを言葉にできるのかと、綿矢りささんに嫉妬しました。
何回読んでもすげーって感想しか出てきません。

ひらいて 感想

 


主人公の行動、本当にクレイジーです。

それでもそのクレイジーさを忘れさせるくらい表現がうまい。

 

自分が普段考えない愛や恋が、この作品から伝わってきました。
表現が本当に素晴らしいです。

 

この作品をどう映像にするのか楽しみです。

まとめ

この作品のあとがきは、芸人の光浦靖子さんが書かれています。

光浦さんの人間味のある言葉でこの作品の感想が書かれていて、ぼくがとても好きなあとがきでした。

わっしょい!わっしょい!です!(読んだ人はわかるはず)

ご感想や質問はこみーのTwitterのDMか質問箱にいただけると幸いです。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

ではまた!

書評小説
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