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金の角持つ子どもたち 藤岡陽子さんによる中学受験の物語

書評

 

 

生き方を変えたいからです
 

 

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金の角持つ子どもたち あらすじ

「サッカーをやめて、塾に通いたい」小6になる俊介は、突然、両親にそう打ち明ける。日本最難関と言われる中学を受験したいのだ、と。難聴の妹・美音の小学校入学を控え、家計も厳しい中、息子の夢を応援することを両親は決意。俊介の塾通いが始まる。だが、彼には誰にも言えない”秘密”があって……。人は挑むことで自分を変えることができる。未来を切り開こうと奮闘する人々を描く、感動の長編小説。

金の角持つ子どもたち 母、子ども、塾の先生の視点から描かれる中学受験の物語

『金の角持つ子どもたち』は母、子ども、塾の先生の3つの視点から中学受験のことが描かれています。

中学受験の小説と聞くと、親同士のドロドロした物語や受験戦争のイメージをする人も多いかもしれませんが、『金の角持つ子どもたち』は超ポジティブ。

むしろ涙が出てしまうほど、感動できるお話です。

中学受験をしたいと言い出した子どもとの向き合い方や家族のあり方。

自ら生きるプレッシャーを背負って生きている11歳。

子どもたちに勉強することの重要性を教えてくれる塾講師。

それぞれの思いが何にも耐えがたく素敵なエピソードになっていてすぐに読めてしまいます。

金の角持つ子どもたち こんな人におすすめ

中学受験をしようとしている子どもがいる親はとても共感できる作品です。

中学受験をしなくても子育てをしている人なら共通することがあって、楽しめるかもしれません。

また、塾講師や教員といった子どもから先生と呼ばれている人も、とても参考になる本です。

子育てをしていなくても、先生をしていなくても、感動する話が読みたいという人、ぜひおすすめです。

金の角持つ子どもたち 心に刺さった言葉たち

人は挑むことで自分を変えることができるんだ。十二歳でそんな気持ちになれる中学受験に、意味がないわけがない。

 

中学受験は意味がないと思いますか?という質問に、塾の先生が答えた内容です。親から受けろと言われたではなく、自分で受けたいと思えると全然違うなと感じますね。

 

自分で答えを出せないから、解答を写すんだ。楽をしたいわけでも、ズルをして自分をよく見せようとするわけでもない。子どものすることにはすべて理由がある。解答を写す子どもは、それ以外に宿題をこなす方法がないからだ。そうしないと宿題を提出できなかったから、だから写すんだ。

 

この文章、とても考えさせられました。これ子どもだけじゃなくて、大人にも同じことが言えるなと思うし、大人の方が本質に近づきにくい。大人だから。関わらなければいいから。そんな理由で問題に向き合わずに生きていけてしまう。

 

高校を中退した時の悲しさや口惜しさは、いまこうしてわが子の盾になるために必要だったのかもしれない。

 

お母さんが子どもを守る強さってすごいですよね。辛い思いをしてきた母が、38歳でこの時のために…って感じるの、素晴らしすぎる。

金の角持つ子どもたち 感想

 

実はぼくがこの本を知ったのはあかねさんでした!布教活動が着実とおこなわれています(笑)

 

塾ってお金がかかるので、本当に必要なのか難しいですよね。もうスマホでなんでも調べられる時代になったからこそ、どんな先生がいるかが今まで以上に重要になった気がします。

 

子どもがまっすぐ成長できる環境があったらいいですよね。

まとめ

ぼくは大学生のときに3年間集団授業の塾講師をしていました。

今でも小さな学習塾の先生をしています。

スマホでなんでも調べられる時代になり、コロナでオンラインサービスが充実し、先生をしていると先生ってなんのためにいるのか考えさせられるんです。

今高校生を教える立場にいるのですが、ぼくは教えるというより一緒に悩む、議論するを意識しています。

先日紹介した藤原和博さんの『本を読む人だけが手にするもの』で「情報処理力」と「情報編集力」という話がありました。

「情報処理能力」とはいち早く正解を導き出す力、「情報編集力」とは身につけた知識や技術を組み合わせて「納得解」を導き出す力と藤原さんは言っています。

ぼくはこの情報編集力のサポートがしたい。

住んでいる場所が田舎で、そもそも中学受験をするという文化がほぼない地域です。

冗談抜きで、学校の授業だけじゃ、ある程度のレベルの高校に入れないくらい学力が低い。

知識を教えることももちろん大事だけど、その先の「自分の意見をちゃんと発信できる」ようになるために伴走ができたらなって思います。

『金の角持つ子どもたち』に出てくる塾の先生のような人になりたいです。

 

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