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書評:『あのこは貴族』山内マリコによる「村社会の仕組み」がわかる小説

小説

 

 

ああ、日本は格差社会なんじゃなくて、昔からずっと変わらず、階級社会だったんだ。

 

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あのこは貴族 あらすじ

東京生まれの華子は、箱入り娘として何不自由なく育てられたが、20代後半で恋人に振られ、初めて人生の岐路に立たされてしまう。
名門女子校の同級生が次々に結婚するなか、焦ってお見合いを重ねた末に、ハンサムな弁護士「青木幸一郎」と出会う。
一方、東京で働く美紀は地方生まれの上京組。
猛勉強の末に慶應大学に入るも金欠で中退し、一時は夜の世界も経験した。
32歳で恋人ナシ、腐れ縁の「幸一郎」とのダラダラした関係に悩み中。
境遇が全く違って出会うはずのなかったふたりの女。
同じ男をきっかけに彼女たちが巡り合うとき、それぞれ思いもよらない世界が拓けて――。

あのこは貴族 村社会の仕組みがわかる一冊

『あのこは貴族』を読んで感じたのは、村社会で生きていくのに必要なスキルってあるよねってことと、閉塞感ってあるよねってことでした。

ぼくは仕事で地域おこしに関わっていたので、その感覚がまさに書かれていたなと。

日本って島国で、外から敵が攻めてくることってなかったので、ずっと昔から続いている歴史あることって根底に村社会の考え方があるなと思いました。

この感覚って、一度村とかコミュニティとか枠組みの中から外に出てみないとわからなかったりするんですよね。

ずっと中にいると気がつかない。

『あのこは貴族』をフェミニズム的な作品と認識している人が多いと思います。

ぼくは枠組みの中にいるか外にいるかみたいな視点から『あのこは貴族』を楽しみました。

出版社は集英社

あのこは貴族/山内 マリコ | 集英社 ― SHUEISHA ―
地方生まれの美紀と東京生まれの華子。アラサー女子たちの葛藤と成長を描く、山内マリコの傑作長編! 「苦労してないって、人としてダメですよね」――東京生まれの箱入り娘、華子。「自分は、彼らの世界からあまりにも遠い、辺鄙な場所に生まれ、ただわけも...

あの子は貴族の出版社は集英社。

集英社と聞くと少年ジャンプとか漫画を思い浮かべる人が多いと思います。

さくらももこさんの作品『もものかんづめ』なども集英社から出版された作品で大ヒットしました。

現在も書籍、雑誌、コミックスと様々なジャンルで紙媒体の作品を発行しています。

HPから集英社小史というページに飛べるのですが、おもしろかったので興味がある人はぜひ見てみてください。

著者の山内マリコはこんな人

https://twitter.com/maricofff?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Eauthor

『パリ行ったことないの』『あたしたちよくやってる』などの作品から、山内マリコさんは女性の心理描写を描くのが上手な作家さんとぼくは認識しています。

そんなイメージがあったので、『選んだ孤独はいい孤独』という男性の生きづらさをテーマに書かれている作品を読んだとき、この人は男性の視点でも物語をこんなふうに書けるのすげぇって思いました。

ライターの経験もあり、小説だけでなくエッセイも書いていることから、本当に文章を書くことを仕事にしてきた人なんだとわかります。

山内マリコさんについてもっと知りたい人はこちらからどうぞ

あのこは貴族 こんな人におすすめ

婚活をしている人は面白いと思います。

ぼくは地方出身なのであまりわからないのですが、東京生まれ東京育ちの人は、自分と同じ東京生まれ東京育ちの人が理想なんですかね?

小説を通して結婚を意識している人やその家族の価値観の違いがわかるかなと思います。

女性がメインの小説を読みたい人にも『あのこは貴族』はおすすめです。

女性ならではの視点、価値観が描かれていて、男性のぼくはとても参考になりました。

地方で地域に関わる活動をしている人もおすすめです。

都会と地方について考えさせられる物語でした。

あのこは貴族 心に残った言葉たち

自分がいちばん正しいと信じて疑わない、自分のものさしでしか人をはかれない、狭い世界に君臨してきた女性。そういうおばさまは往々にして、美しいものや文化をこよなく愛し教養もあるが、なぜかそれが内面の寛容さには一切結びつかないのだった。

ちょっと笑ってしまいました。なんとなくわかる気がする。。。

世の中にはね、女同士を分断する価値観みたいなものが、あまりにも普通にまかり通ってて、しかもそれは誰よりも女の子自信が、そういう考え方に染まっちゃってるの。

そういうのありますよね。男性は奢らないといけないみたいなのを男性の方が気にしてるみたいな。男性はかっこいいとかダサいとかそんな基準で判断するかもしれないですが、女性の場合、「女らしさ」のような「こうあるべき」という価値観で判断されることが多いのかなと思います。男性よりも根が深そう。

中からは、わからないのだ。ずっと中にいるから、彼らは知らないのだ。気づいていないのだ。そこがどれだけ閉ざされた場所なのか。そこがどれほど恐ろしくクローズドなコミュニティであるかは、中にいる人には自覚する術がないのだ。
なーんか地元に帰ったみたい。

中にいて困ってないと外に出ようと思わないですよね。そうとき、外に出してくれる要因ってなんでしょう。知的好奇心?人?環境?人って困らないと行動に移せなかったりするので、視野を広げたり、井の中の蛙にならないように気をつけようと思いました。

あのこは貴族 Twitterでの感想

自立って大事ですよね。大人になって1人暮らしをして税金を納めてることが自立してるってわけじゃなかったりするなと思ったり。

「誰かが作った幸せに囚われない」ってすごいいい言葉ですね。なんの本か忘れてしまったけど、消費社会になると、あなたたちが求める幸せはこれですよって世間の方から幸せの形を当てはめにくるって書いてあって、なるほどなって思いました。自分の幸せをちゃんと持っていたいと改めて思いました。

田舎者は読め!!!

まとめ


『あのこは貴族』は2021年02月26日に公開されました。

この記事を書いている2023年8月15日では、U-NEXTで無料で見れます。

AbemaTVでもあと6日間は無料で見れるそうです。(このタイミングで記事書いててよかった!観ます!)

ぼくは映画と原作だったら絶対原作から見るようにしています。

原作と映画とどんな違いがあるのか見るのが楽しみです。

ぼくは千葉県という都会と田舎を近い距離で行ったり来たりできるところにいるので、いろいろ考えながらこの作品を読めました。

それぞれの立場で『あのこは貴族』を読んで感想を共有するの楽しそうだなと思うので、ぜひ読んだ人は感想を教えてください。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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