3月はバタバタしていまい、あまり多くの本を読むことができませんでした。
勝手にふるえてろ
恋心の火は火力を調節できないからこそ尊いんだぞ
主人公の良香(よしか)には恋人が2人います。
“イチ”と呼ばれる恋人は良香が大人になっても片想いをしている中学の時の同級生。
“ニ”と呼ばれる恋人は良香に告白してきた同じ会社の同僚。
一方的な三角関係(イチとニの関係はない)の中で、良香の独特な妄想が繰り広げられるお話です。
女性はこんな風に思っているのかなと、ちょっと怖くなるようなシーンもありました(笑)
あなたは嘘を見抜けない
見せかけ上の幸せなんて、僕は望んでいない。
そんなものは欲しくない。
欲しいのは真実だ。
それだけが、僕をこの呪縛から解放してくれる。
僕を救済してくれる。
無人島、廃墟、突然の事故死、死体、SNSだけで繋がる登場人物
ミステリー好きにはたまらないキーワードがたくさん出てきますね。
このお話は「亮太」という大学生の男性と、最愛の女性を失った「高辻」という男性の視点から物語が描かれていて、場面が何度も切り替わる面白い構成となっています。
285ページとすぐに読めてしまう作品です。
男子劣化社会
男性は自分から女性を誘うことができなくなっている。こうすべきというはっきりしたルールはなく、ただ、しては行けないルールが山ほどあるだけだ。それをすれば、間違いなく悲惨な結果になるらしい…だったら、ごめん、ぼくはむしろゲームをするね。
若者はポルノにより自分自身のバーチャルハーレムで王になった気分を味わえ、ゲームにより、実生活にある縛りや先々のことを心配することなく、また命や手足を失う恐れもなくヒーローにもアンチヒーローにも慣れる。
したがって、若者がオンラインポルノやゲームの世界を、日々の生活の中で遭遇する何よりもはるかにエキサイティングだと思うのは無理はないのだ。
ゲームはプレイヤーに「結果の責任を取ることなく、架空の成熟した地位を与える。プレイヤーは実生活で成功するためには避けては通れない挫折もいっさい味わうことなしに、自分はパワフルで経験豊かだと感じることができる」。
このように書かれているのを読むと、男性がゲームやポルノに手を伸ばしてしまうのは必然的に思えます。
ぼくもゲームが大好きです。
ただ、ぼくはゲームが「好きなものに対して熱中できる自分」を認識させてくれたものだと思っています。
ゲームの話だけではなく、女性の話、政治や社会のあり方の話なども書かれていますので、ぜひ。
男子劣化社会 ネットに繋がりっぱなしで繋がれない /晶文社/フィリップ・ジンバルドー
カラフル
この世があまりにもカラフルだから、ぼくらはいつも迷ってる。
どれがほんとの色だかわからなくて。
どれが自分の色だかわからなくて。
普通であることの不安。もどかしさ。非凡だと敬遠されれば孤独になるのに平凡と言われる恐怖。そんな心のわだかまりから、森絵都文学は確実に解放してくれる。
解説の中でも、森さんは自分のことを「普通の子」と表現していました。
ぼくは普通とは何かという考えさせる作品『コンビニ人間』や『夫のちんぽが入らない』などの作品がすごく好きなのですが、『カラフル』は「普通でもいいんだ」と思える作品でした。
ぜひ、「普通」を味わいたい方は読んでみてください。
まとめ
1月から小説を多く読んでいますが、3月は論文のような本にも挑戦しました。
読書会にも参加したりと、とても密度の濃い読書ライフを送ることができた一方で、読書の時間をうまく取れませんでした。
無理して読書はしたくないと思っているので、今後は仕事が忙しくなってきたときにどうやって読書の時間を作ることができるか、模索していこうと思います。
ご感想や質問はこみーのTwitterのDMか質問箱にいただけると幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
ではまた!
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