今年の夏はたくさん本を読みました
沈黙のパレード
この作品のタイトル『沈黙のパレード』の意味は途中ですごくスッキリします。
なるほど、ここでタイトルに繋がるのね、と。
虚偽罪というのはありますよね。では沈黙罪というのはあるんでしょうか
ある登場人物の言葉です。
巧妙なトリックで騙すのではなく、ただ何もしゃべらない。
すごくシンプルだけど、警察も何もできない。
「沈黙」の強さを感じることのできる作品です。
西の魔女が死んだ
この物語の主人公まいは親に「扱いにくい子」「生きにくいタイプの子」と陰で言われてしまいます。
本人は「扱いにくい子」「生きにくいタイプの子」を認めざるを得ないと自覚していました。
まいは学校に行かない選択をし、西の魔女の自宅で生活を始めます。
なんの変哲もない日常ですが、そこには生きていく上で大切なことが詰まっていました。
地球星人
この作品に頻繁に出てくる単語のひとつに「工場」があります。
それは「人間工場」を表す言葉で、「人間工場」とは、人間を製造する工場です。
作中にはこのように表現されています。
私は、人間を作る工場の中で暮らしている。
(中略)
私の子宮はこの工場の部品で、やはり同じように部品である誰かの精巣と連結して、子供を製造するのだ。オスもメスも、この工場の部品を身体の中にかくして、巣の中を蠢いている。
こんな視点で日常を見れるのってすごいなと思いました。
ぶっとんだ世界を体験したい人はぜひ。
アイネクライネナハトムジーク
この作品は「出会いとは何か」がテーマだと思っています。
「その時は何だか分からなくて、ただの風かなあ、と思ってたんだけど、後になって、分かるもの。ああ、思えば、あれがそもそもの出会いだったんだなあ、って。これが出会いだ、ってその瞬間に感じるんじゃなくて、後でね、思い返して、分かるもの」
運命の出会いは信じていませんが、この言葉は刺さりました。
『逃げるは恥だが役に立つ』でも富田靖子さんが出会いについてこんな風に語っています。
「運命の人なんていない。運命の人にするの」
最近は、出会い系という言葉ではなく、マッチングアプリという呼び方になり、気軽に異性と繋がれるようになりました。
何気ない日常の出会いを大切にして生きたいですね。
夜市
表紙の金魚からも不気味な雰囲気が漂っていて、ホラー作品感がすごくあります。
「何かを買わないと出ることができない」という夜市の設定は、ホラーのなかでも少しファンタジーよりなのかなと思いました。
妖怪なども出てくるので、『夏目友人帳』に近い感じもして、正直あまり怖くはなかったですね。
夜市に来た理由や、主人公の過去の話がいい話なので、ホラー要素よりもストーリーがオススメです。
屍人荘の殺人
ゾンビは単なる恐怖やグロさだけでなく、逆に人の罪深さ、貧富による格差や弱者と強者の存在、友情や家族愛、仲間が一瞬にして敵に回るという悲劇性など様々な要素を表現しうる存在となった。
人々はゾンビに自分のエゴや心象を投影するんだよ。
すごく納得できました。
確かにゾンビが出てくる作品はたくさんあり、メッセージがありますよね。
割と今の社会ってゾンビがいる状況と同じなんじゃないかなと思ったりもします。
身の回りの人と議論しがいのあるテーマかなと思いました。
ホラー寄りのミステリー小説というジャンルかなと思いますので、好きな人はおすすめです。
流浪の月
この人は悪くないんです。優しい人なんです。何もしてないんです。
そう訴えるも誰にもわかってもらえず、被害者として扱われてしまう主人公の更紗(さらさ)。
本当に何も悪いことをしておらず、犯罪者として扱われてしまう文(ふみ)。
何年経っても誰にもわかってもらえず、犯罪者と被害者という烙印を押された2人の悲しみが伝わってくる作品となっています。
働く男
働きたくない
この一文から始まるエッセイです。
アーティストとは何か、演劇や歌手、作家などいろんなものづくりの仕事をしている星野源さんだから書けるエッセイなのかなと思いました。
小説や物語ではないエッセイという形で人はこんなにも感情が動くんだなと、自分の価値観が変わった作品です。
文章を書く人はぜひ。
変な家
家の間取りに違和感があるという知人の相談から始まるこのお話ですが、後半はある一族にまつわる話に変わっていきます。
後半はミステリーというよりホラー作品です。
特に最後の終わり方、この作品の中でもっとも怖かったシーンでした。
2021年7月26日に発売されたこの作品は、2021年8月12日にAmazonの「ミステリー・サスペンス・ハードボイルド」カテゴリでベストセラー1位となっています。
ぜひ、この間取りと睨めっこしてください。
晴れ、時々くらげを呼ぶ
本好きは大人しいと思われがちだが、実際のとこは真逆だ。趣味が合った瞬間に爆発する。
この一行を読んで、読まなきゃと思いました。
気づいたら夜中にAmazonで購入している自分がいましたね(笑)
読書好きな人なら、このページめっちゃテンション上がりません?
本当にそれだけの動機で、この本と出会いました。
くらげ、降らないかなー
まとめ
8月はお盆休みや祝日など休みがいつもより多く、ひたすら引きこもって読書と映画を見ていました。
これくらいのペースで毎月読書ができたらなぁと思いますね(笑)
ミステリーやホラー系の小説が多かったです。
特にジャンルに偏りはないので、これからもいろんな種類の本に挑戦していきたいです。
ご感想や質問はこみーのTwitterのDMか質問箱にいただけると幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
ではまた!
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