意志のある終わりは、新しい始まりをもたらしてくれるものです。
あらすじ
友利晴朝、22歳。大学を卒業し、就職活動をして、たくさんの企業に落ちた結果、「僕」が飛び込んだのはソーシャルゲーム業界。そこは8000万人がスマホを使う現代日本にあって、急速な成長を遂げる新興市場だった。ゲーム作り、つまり遊びの仕事? とんでもない。「楽しい」を生み出すため、僕らは全力を尽くす。働くとは。モノづくりとは。熱き想いが心を揺さぶる、青春お仕事小説。
『残業のあと、朝焼けに佇む彼女と』は『それでもあなたは回すのか』の続編
『残業のあと、朝焼けに佇む彼女と』は『それでもあなたは回すのか』の続編です。
『それでもあなたは回すのか』は主人公が就職活動から始まり、ソーシャルゲームをつくっている会社に就職。
組織の中で何か役に立ちたいと空回ってしまう焦りや、社会人1年目として働く主人公の心情がとても繊細に描かれています。
『残業のあと、朝焼けに佇む彼女と』は『それでもあなたは回すのか』で起きた大きなプロジェクトの後の物語です。
クリエイターとは何か、ものづくりのリアルが伝わる小説です。
『それでもあなたは回すのか』についてのぼくの読了記事はこちらから。
出版社は新潮社
『残業のあと、朝焼けに佇む彼女と』出版社は新潮社です。
新潮社の出版作品の特徴は人間の感情を緻密に描いた作品や読者の心に訴えかけてくる作品が多いこと。
有名な作品に直木三十五賞受賞作品、朝井リョウさんの何者などがあります。
著者の「紙木織々」ってこんな人
1990(平成2)年、新潟県生れ。2019(令和元)年、『弱小ソシャゲ部の僕らが神ゲーを作るまで』でオーバーラップ文庫大賞金賞を受賞し、デビュー。ソーシャルゲームの開発会社にてゲームプランナーとして働く。
紙木さん本人がソーシャルゲームの開発会社にてゲームプランナーとして働いています。
働きながらこんなに素敵な小説を書けるの、とても尊敬します。
『残業のあと、朝焼けに佇む彼女と』はこんな人におすすめ
『それでも、あなたは回すのか』を読んだことがある人にはおすすめです。
『残業のあと、朝焼けに佇む彼女と』は『それでも、あなたは回すのか』の続編なので、登場人物も同じですし、何より主人公ハトの成長が引き続き見れるため、おすすめというか読んで欲しいです。
ソーシャルゲームをつくっている会社の話なので、同じようなクリエイターには共感間違いありません。
どうやってソーシャルゲームが作られているのかもわかるので、ソーシャルゲームが好きな人にも、楽しめる作品になっています。
心に残った言葉たち
『残業のあと、朝焼けに佇む彼女と』の作中で心に残った言葉たちを紹介します。
言葉は人の心を伝える。けれど、言葉は正確には伝わらない。介在する人が多ければ多いほど、言葉はゆらいで、歪んで、薄まって、内包した意味は少しずつ本体の色を失っていく。
クリエイターこそものごとの言語化が必要なんだなと最近感じでいます。言葉について書かれていたこの文章刺さりました。
良いものが必ずしも評価されるとは限らない。…良いものであること。それだけでは必要十分ではない。良いものと、認知。二つ揃って初めて届くものだ。
めっちゃわかるーーー。それが難しい。
どれだけ悩んでも、どれだけ迷っても…正解と言える答えなんて、どこにもないようなこともあります。今、ハトさんが悩まれていることはそういったものです。ハトさんがすべきなのは、正解を探すことではありません。(中略)決めるんです。あなたが、決めるんです。これが自分にとっての正解だと。「正解」の創作物なんて、どこにもあるわけがないのです。これが自分にとっての全てだと、そう信じられるものを自分で見つけるしかありません。
学校で教えてくれることの多くが答えがあることなので、学校に適応した人ほど答えを探しにいく癖がついてる気がします。この感覚をぶち壊すのって大変。
Twitterの感想
『残業のあと、朝焼けに佇む彼女と』についてTwitterで感想を検索してみました。
残業のあと、朝焼けに佇む彼女と / 紙木織々
働くことを凄く考えさせられたし、初めて社会に出て働いたときを思い出してしまったと同時に、スマホのゲームってこんな風に作られるんだなって中身が見えて面白かった〜!
前作も早くお迎えして読みたいと思います!#読了#読書好きな人と繋がりたい pic.twitter.com/LPJOi3Xh5z— . (@monmonbooks7) March 31, 2021
働くこと、サービスを提供すること、お金をいただくこと、いろんなことがこの本から学べます。
「残業のあと朝焼けに佇む彼女と」紙木織々 #読了
大好きな作品。
今回も、社会人として直面する出来事に共感し、クリエイターとしての熱量が伝わってきた。
結果、前回の悔しさが実を結んで感動!
自分が納得してない事は相手に届かないって言葉は響いた。
詳細は読書メーターにて#あな回 pic.twitter.com/CZqzdDagfG
— あさひ (@asahiha2525) March 4, 2021
クリエイターは考えることが多い作品ですよね。
紙木織々『残業のあと、朝焼けに佇む彼女と』
悩める人に送るお仕事小説第二弾。何も出来なかったところから、何かを成し遂げようとめげずに頑張っている姿に憧れを感じる。答えのない問題にどう答えを出すか、という問いかけに対して安村さんの言葉が突き刺さる。取り巻く面々の芯の熱さが魅力的だ。 pic.twitter.com/Kdbl2yzclC— ほたる@読む (@Crowd_Firefly) February 27, 2021
「悩める人に送るお仕事小説」っていいですね。ほんとまさにその通りの本です。
まとめ
高校や大学を卒業して社会人になると、学校と社会のギャップにびっくりすることってたくさんあると思います。
こんなんで社会って回ってるんだ、とか、会社ってこんな厳しいんだとか、いろいろ。
『残業のあと、朝焼けに佇む彼女と』では、クリエイターという職業から働くことについて学べる作品です。
仕事で何か行き詰まったときや、なんとなく辛くなったときにおすすめです。
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最後まで読んでいただきありがとうございました!
ではまた!
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