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わたしたちは銀のフォークと薬を手にして 島本理生

書評

 

 

大人になるって、この人を好きになるとは思わなかったっていう恋愛が始まることかもしれない。

 

 

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わたしたちは銀のフォークと薬を手にして あらすじ

「どこへ行きましょうか」 「どこへ行くか」
30歳の私は、あの日、夕方の春の海辺で、どこへ行けるか分からない恋を始めた。限られた時間の中にいる男女の行く末を描いた、渾身の恋愛小説。
年上のエンジニア・椎名さんと仕事先で出会った知世。美味しいものを一緒に食べる関係から、少しずつ距離が近くなっていったある日、椎名さんは衝撃の告白をするが……。

食と旅を通じて人を受け入れていく物語

『わたしたちは銀のフォークと薬を手にして』に出てくる椎名さんは、何度も主人公の知世に美味しいご飯を食べにいこうと、旅行に誘います。

美味しいご飯、旅、優しい性格。

同性のぼくから見ても、椎名さんはなんか余裕があってかっこいいなと思いました。

女性からのこういう意見、すごい魅力的な男性なんだって感じますね。

実はこの椎名さんには事情があって普通に生きていくのが困難な状態なんです。

美味しいご飯と旅を通じて人を認めて受け入れていく様子がとても綺麗に描かれている作品でした。

わたしたちは銀のフォークと薬を手にして こんな人におすすめ

『わたしたちは銀のフォークと薬を手にして』は恋愛小説です。

学生や若いときの恋愛ではなく、大人の恋愛をする物語を読みたい人はおすすめです。

美味しいご飯が何度も出てくるので、食をテーマとした物語が好きな人も楽しめると思います。

女性の結婚観も多く描かれているので、結婚に興味がある人は共感できる作品なのではないでしょうか。

男性と女性で見る部分が違うと思うので、パートナーと一緒に読んで感想を共有すると楽しいかもしれませんね。(喧嘩はしないように!)

わたしたちは銀のフォークと薬を手にして 心に刺さった言葉たち

もしかしたら一緒に焼き鳥が食べられるって、一緒に生きていけるくらい大きなことなのかもしれない。

 

焼き鳥を一緒に食べたことのある人って意外と少ないかも…
匂いとか雰囲気とか串ものを一緒に食べるとか、気を使うことが多いかもですね。

 

薄々わかっていた。年収じゃない。顔でもない。いや、外見はちょっと大事だけど、それよりも必要なもの。

 

これは、なんか、若いときには気づけないものなんですかね。なんとなくわかってるけど、気付きたくないというか。

 

この人は孤独や人が分かり合うことの難しさをじゅうぶんに知っている。それでいて折り合いをつけて自立して生きている。

 

こういう人になりたいなと思いました。きっとたくさん苦労したんだろうな。

わたしたちは銀のフォークと薬を手にして 感想

 

島本理生さんの作品は2作目ですが、これかと思いましたね。包容力。読後感の満腹感という言葉がこの作品にあっていて素敵な感想です。

 

 

作中に出てくるのですが、「漢字じゃなくてひらがなで書くこうふく」という表現、すごくないですか?具体的に何か説明しろと言われたらわからないけど、なんか幸せの一つなんだなって思わせてくれる表現。素晴らしいです。

 

 

これは飲まないとですね。
小説に出てきた映画や小説、食べ物は1度経験したいタイプです。(笑)

 

まとめ

まったくの赤の他人と、共に生きることは難しいです。それでも人と人が出会うのは、やっぱり素晴らしいことだと思います。思いがけず救われる言葉。自分一人では得られなかった価値観。見慣れていた風景が変わるとき。そんな美しい瞬間が見たくて、小説を書いていくのだと思います。

島本さんはあとがきでこのように語っていました。

どうして小説を書くのかが自分のなかで納得しているのだと感じました。

またあとがきでも、「食」と「旅」について、島本さんは語っています。

おいしいご飯を食べに、いつもと違う場所へ足を運ぶことで、お互いのことを少しずつ認めあっていけるのだなと実感しました。

椎名さんのような余裕のある大人になりたいです。

書評小説
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