本屋大賞の本、ハードカバーだし、高いし、読み終わらない!
世界から猫が消えたなら 川村元気
自分が存在した世界と、存在しなかった世界。そこにあるであろう、微細な差異。そこに生まれた、小さな小さな”差”こそが僕が生きてきた”印”なのだ。
世界からひとつ何かを消す代わりに1日だけ命を得ることができる主人公。
逆に何かを消さなければすぐに死んでしまします。
自分で消すものを選べれば良いのですが、悪魔はそんな優しいことを許してくれません。
『世界から猫が消えたなら』は「当たり前のもののありがたみ」を感じることのできる作品です。
物事がうまくいっている時にこそ、この作品を読むのがいいのかなと思いますので、ぜひ読んでみてください。
マツリカ・マジョルカ 相沢沙呼
世界は、それほど最低じゃない。
『マツリカ・マジョルカ』は冴えない主人公と謎の女子高校生のミステリ小説です。
同じく相沢沙呼さんの小説『小説の神様』もこのパターン。
相沢さんはこの冴えない主人公の心情表現がとてもうまいので、男性は共感する人が多いのではないでしょうか。
『マツリカ・マジョルカ』はマツリカシリーズの第一弾です。
学校だからこそのミステリ事件が詰まっているとともに、続編が気になる構成になっています。
青春ミステリが読みたい人にとって『マツリカ・マジョルカ』はピッタリな作品です。
赤と青とエスキース 青山美智子
もう来ない赤い生理。
もう青くならない髭の剃り跡。
私たちはこんなふうに、色を失っていくんだろうか。
『赤と青とエスキース』は青山美智子さんの作品で、2022年本屋大賞ノミネートされています。
『お探し物は図書館まで』は去年2021年の本屋大賞にノミネートされました。
『木曜日にはココアを』、『月曜日の抹茶カフェ』などが有名な作品で、青山美智子さんの名前を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか?
『赤と青とエスキース』は1枚の絵画が人と人をつなぐ物語で、不幸になる人が出てこない作品なので、素敵ないい話を読みたいと思っている人にはおすすめの作品です。
どうしても生きてる 朝井リョウ
痛いときに痛いって大きな声で言えることが、気持ちいんだよ。
痛いときに痛いって、限界のときにもう限界だって、もう無理だって大きな声で言っても驚かない相手がひとりでもいる空間に、いたかったんだよ。
『どうしても生きてる』の目次はこちら。
健やかな倫理
流転
七分二十四秒目へ
風が吹いたとて
そんなの痛いに決まってる
籤
どの話も、現代に生きる人間のなんともいえない部分が抽出されている物語です。
社会には自分の弱みや本音を言えずにくらいしている人がたくさんいるんだなって、朝井リョウさんの小説を読むと痛感します。
付箋だらけになってしまうほど、共感してしまう言葉が多かった作品なので、ぜひ映画化して欲しいなと思いました。
全ての話がハッピーエンドってわけではなくスッキリしないので、課題を突きつけられた状態で物語が終わる作品が好きな人は、おすすめです。
Lily-日々のカケラ- 石田ゆり子
戻りたくない。今の私で十分。
石田ゆり子さんは「綺麗な大人な女性」「こんなお母さんだったらすごい自慢したい」というイメージ。
『Lily』には食事、美容、読書など、石田ゆり子さんの生活が描かれていて、とても多才な人なんだなと感じました。
化粧のこと、食事のこと、洋服のことなど、健康や美容について書かれているページがあるので、美容に興味がある人はおすすめです。
六人の嘘つきな大学生 朝倉秋成
嘘つき学生と、嘘つき企業の、意味のない情報交換 ー それが就活。
『六人の嘘つき大学生』は読み始めると、超王道のミステリだ!ってなるのですが、その後展開が一気に変わります。
就活という大学生の一大イベントが舞台のミステリ作品で、ミステリの内容以外にも、就職とは信用とはなんだろうと考えさせてくれる作品です。
個人的には、会社で人事担当の人は読むととても刺激があるのと思っています。
AmazonAudibleで聴いた本
バナナの魅力を100文字で伝えてください 誰でも身につく36の伝わる法則
会社のプレゼン資料やSNSの投稿など、現代において、文章を書かない人や何かを発信していない人は少ないと感じています。
『バナナの魅力を100文字で伝えてください』は「伝える」と「伝わる」の違いがはっきりと書かれている本でした。
これだけ個人が自由に発信ができる時代だからこそ、ちゃんと伝わる技術を習得しておく必要があるのではないでしょうか。
ぜひ。
パン屋でおにぎりを売れ 想像以上の答えが見つかる思考法
『パン屋でおにぎりを売れ』は先ほどの『バナナ〜』と同じ作者さんの作品。
ぼくはこっちのほうがとてもしっくりきました。
考え方が変わる本で、事業者や経営者が自然とやっていることがわかりやすく書かれている本だと思いました。
とても前向きになれる考え方なので、おすすめです。
なぜか感じがいい人のかわいい言い方
ぼくは繊細さんの部類なので、自分が口に出してしまった一言や相手から言われた一言がずっと頭に残っているということがよくあります。
その一言がなかったら、この一言があったら、別の言い方で伝えていたら、と後悔することがしょっちゅう。
『なぜか感じがいい人のかわいい言い方』は、そんなぼくにとってプラスにはたらく作品でした。
まとめ
4月6日に本屋大賞の発表がありました。
3月中に何冊か挑戦しましたが、ぼくが読めたのは4冊。(『残月記』は読み途中)
文庫化されてからや、読もうと思えるようになったら引き続き読んでいこうかなと思いました。
相沢沙呼さんのマツリカシリーズも読んでいきたいし、シリーズといえば、リカシリーズも途中だし、中途半端になっているものが多いので、4月はその辺解消していけたらいいなと思ってます。
朝井リョウさんの作品は安定のぶっ刺さりですね。
定期的に読みたい作家さんです。
ご感想や質問はこみーのTwitterのDMか質問箱にいただけると幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
ではまた!
コメント